今回は柔道100㎏超級の原沢久久喜選手に

日頃の歯のケアや歯と柔道との関係性についてオンラインでお話を伺いました。

PROFILE /  原沢 久喜 選手 1992/7/3

山口県下関市生まれ。柔道家。階級は100㎏超級。得意技は内股や大内刈。

リオデジャネイロゴ五輪で銀メダルを獲得。

その後の世界大会でも優勝・準優勝を複数回獲得、日本の重量級のエースである。

 

■ 原沢選手は格闘技でもある柔道で激しい試合や練習をされてると思いますが、体のメンテナンスや管理はどのようにされていますか?心がけている事をお聞きしたいです。

原沢選手:はい、あります。結構アスリートって鍛えることばかりに目が向きがちなんですけど、日々のケアやコンディショニングっていうのはすごく大切になってくるので、歯のケアとかも同じだと思うのですが、体のマッサージに行ったりとか針を打ったりとか、ケアしてあげないと体もケガしていまいますし、年齢もベテランの域にはいってきたので、そういうところを気を付けるようにしています。

■ 例えばマッサージなどは担当の方がいらっしゃるんですか?

原沢選手:そうです。専属のトレーナーにお願いしてやってもらっています。あとは食事とかも重要になってくるので、バランス良くしっかり食べることが疲労回復にもつながってくると思うのでそこも気を付けています。

白井先生:なるほど。マッサージは練習毎にやるんですか?定期的にやるんですか?

原沢選手:そうですね。週1回か2回はやっています。定期的にストレッチを練習やトレーニング終わった後に入れてケアするようにしています。

 

■ フィジカル面とは別にメンタルコントロールで意識してされていることはありますか?

原沢選手:メンタルは日々の練習とか結構きついこともあるんですけど、それをキツイことと思ってやるよりは自分に必要なことをやるっていう意識でやるようにしています。そうなると自然と自分の目標に向かってハードだとか、ハードではないとかそういうメンタルに左右されずに、日々練習に取り組むということを意識しています。

白井先生:激しいトレーニングと遠征など大変かと思いますが、息抜きはされてます?リラックスするルーティーンなどはありますか?

原沢選手:結構お風呂に行きます!それで結構リラックスしています。あとは寝たりしてます!今はこういった状況下でなかなか行けないんですけどね。

白井先生:そうなんですね。例えば大きい試合の前の日とかは緊張しますか?

原沢選手:前の日よりも当日の朝が一番緊張します。

白井先生:若手の頃よりは慣れましたか。慣れるものなんですか?

原沢選手:若手の頃のほうが、なにも考えずにがむしゃらに出来ていたところがあるので、そういう意味では今は責任が伴って自分自身を高められるという感じがあります。

白井先生:緊張をいい方向に持っていけるタイプなんですね!

原沢選手:そうですね。前段階の準備がしっかり出来ていると緊張しても良いパフォーマンスが出せるので、緊張してどうするかと考えるよりはそれまでにしっかりやるべきことをやるというのを頭に入れています。 

白井先生:勝負メシはありますか?

原沢選手:高校生ぐらいまではカツとか食べていました。でも栄養学的に見るとあまり良くないので・・・
今は海外とか行くと、自分の食べたいものを食べられる環境ではないので、特に決めないで何でも食べるようにしています。

白井先生:トレーニングの後に摂る栄養(タンパク質など)も気を付けていますか?

原沢選手:そうですね。決まったサプリメントを飲んだりしています。プロテインとかゼリーとか粉末状のものとか色々あります。

■ 柔道において、歯の状態や嚙み合わせで今まで困ったことはありますか?

原沢選手:柔道は(選手同士が)コンタクトする競技なので歯に当たって欠けたりとか、技をかけるときも必ず歯を食いしばりますので、前歯のほうが欠けたり抜けたりする選手もいます。

白井先生:なるほど、技をかける時なんですね、特に(歯に力がかかるのは)投げる時ですか?

原沢選手:やはり投げる時と、相手の技を受ける時が多いですね。

白井先生:今まで試合の前後などに歯が痛くなったことはありますか?

原沢選手:ちょうどこの前試合に2度出たのですが、1回目の試合終わった後に食いしばったからか、結構痛くなってしまって、ただ試合終わったら良くなりましたが。。。食いしばりすぎなのかストレスなのか分からないですけど。

白井先生:痛いのは歯でしたか?顎でしたか?

原沢選手:上の歯が痛くて、この辺(頬骨のあたり)マッサージしてたら良くなりました。筋肉ですかね?

白井先生:食いしばりすぎての筋肉痛みたいな感じ?やはりそれだけ力強く食いしばっているからでしょうね。

時に激しいボディコンタクトスポーツである柔道。

歯のトラブルも起こることがある。

■ スポーツで起こりうる歯の事故

白井選手:柔道だとコンタクトスポーツなので、選手同士で当たって前歯折れるとかありますよね。

原沢選手:そうですね。

白井選手:そういう場合は応急処置がすごく大事でして・・・(事故が起こっても)試合中なら続行されるんですか?

原沢選手:続行されますね。止血だけ出来れば。

白井選手:試合自体はそんなに長時間ではないですもんね。

原沢選手:そうですね。4分+延長戦って感じです。

白井選手:試例えば歯が折れても残せる場合もあるので、応急処置は早ければ早いほどいいですね。サッカーとかでも結構折れますからね。

原沢選手:折れた歯ってくっつけられるんですか?

白井選手:くっつけられる場合もあります。抜けてしまっても再植といってもう一度植え治しができることもあります。
 ただ歯が乾いたり、根の表面の歯根膜というものの細胞が死んでしまうと難しいです。なので(抜けてしまったら)病院行くまでの間に生理食塩水とかポカリスエットに浸けて保存しておくことが大事です。

原沢選手:へえ~~~。今度もし起こってしまったら気を付けます。

白井選手:意外と知られてないんですよね。

原沢選手:全然知らなかったです。自分もバキッとはないですが、細かく欠けたことはあります。

白井選手:柔道はマウスピース禁止ですからね。

原沢選手:そうなんですよ。試合中はマウスピースが付けられないので・・・。ただ練習時はOKなんですけど。

白井選手:海外などはそういうことに柔軟に対応しそうですけどね。まだ今はOKにならないんですね。

原沢選手:たぶん、海外は結構オープンなのでいずれは(使用が)大丈夫になると思うのですが・・・。

 

■ 日頃の歯のケアについて

原沢選手:毎日ブラッシングとフロスと親知らずが下にあるので歯間ブラシで掃除しています。マウスウォッシュも使っています。

白井先生:ちゃんケアされていますね!!

原沢選手:(治療のときに)色々指導いただいたので・・・

白井先生:治療させて頂きましたが、原沢選手は元々そんなに悪い状態ではなかったです。なので今は定期的なメンテナンス(クリーニングなど)を行っています。原沢選手のお手入れは完璧ですよ!

原沢選手:そういえば、結構練習中にスポーツドリンクとかを飲むんですが、それは虫歯になりやすと聞くのですが、(飲んだら)すぐブラッシングしたほうがいいんですか? 

白井先生:(スポーツドリンク飲んだ)最後に軽く口を水ですすぐとかすると良いです。スポーツドリンクを飲んだままの口にしておくと酸性度が高い状態が続いて歯が溶けやすくなるので、一度水で中和させるといいです。
甘いものを短期間で食べるのと、ダラダラ食べるのでは、後者のほうが良くないです。おやつの時間にパッと食べて、歯磨きしてであれば問題ないです。逆にダラダラ間食していると虫歯になりやすいです。量より時間ですね。スポーツドリンクも栄養面ではいいですが、水分補給だけなら水とかのほうがいいですね。

原沢選手:なるほど、そうなんですね。

 

白井崇浩 エス歯科グループ総院長

原沢久喜選手のオフィシャルデンティストとしてサポート

■ 横浜エス歯科に通っていただいて、病院の印象はどうですか?

原沢選手:個室の歯医者が初めてだったので、新鮮な感じで治療していただきました。景色も良くて、歯医者って行きにくいイメージがあったのですが、とても良かったです。

白井先生:ありがとうございます!

原沢選手:治療のほか、親知らずを1本抜いていただいて、下は残っているのですが、痛みなどもなく調子いいです。

白井先生:それは良かった!原沢選手はほぼ治療は終わっていますので、今後は定期的にメンテナンスとクリーニングに来ていただけると良いと思います。

■ スポーツでの食いしばり

原沢選手:サッカー選手とかアスリートを診ていると思うのですが、選手の特徴があったりしますか。食いしばり強いと削れているとか。

白井先生:そうですね。顕著に出ているという感じではにですが、咬筋が張っていたりはします。あとは前歯を折っていたりする人は多いですね。

原沢選手:食いしばるのはあまり良くないんですか。

白井先生:歯ぎしりのような動きのほうが良くないですが、あまりに噛む力が強いと根っこが割れたりはあります。でも瞬発的な力は食いしばらないと出ないので、普通に生活している人よりは重量挙げなど力が過度にかかるスポーツをやっている人は負担がかかりやすいですね。

原沢選手:そういう場合はマウスピースしたほうがいいんですかね。

白井先生:したほうがいいですね。上にだけ付けるだけでもだいぶ違います。

原沢選手:顎の筋肉の疲労や痛みへのケア方法はどうしたらいいですかね?

白井先生:歯がすり減ったりするのは寝ている間の歯ぎしりが多いですが、スポーツの場合はマウスピースとかがいいですね。あとはボトックスを顎に打って筋肉の力を弱める方法もあります。

原沢選手:柔道だと力を入れないとなので、なかなか難しいですね。

白井先生:そうですよね。なので普段からのケアもすごく大事になってくると思います。

万全の体勢で激しい試合に臨むために、身体も歯や顎もしかっりとケアしていく。

練習やトレーニングそして試合、激しい戦いの中、大きな力を出すためには、歯や顎への負担が避けられない。

ストレスなく力を入れるためにはブラッシングやフロスなどの日々のセルフケアや定期的なメンテナンスで咬み合わせも含めた理想的な口腔環境を維持していきたいですね。

この度は、とてもお忙しい中、インタビューのお時間をいただきました原沢選手、ありがとうございました。

これからも大活躍、応援しています!

 

取材:2021年5月 発行:2021年7月

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